歯周病治療

periodontal disease

歯周病治療について

歯周病は、細菌の感染によって歯を支えている組織や骨(歯槽骨 しそうこつ)が溶けてしまう炎症性疾患です。
痛みはほとんどありませんが、この歯周病は“最も多い感染症”としてギネス・ブックにも掲載されています。
その上、天然の歯を無くす要因No.1なのです。

歯周病の原因

歯周病の原因菌である“歯周病菌”。
この菌は、なんと常在菌なんです。
常在菌とは、人間が常に持っている菌のコト。
初めは、歯周病菌は悪いコトをしません。
しかし、普段の歯みがきなどの口腔ケアが不十分だったりすると、この菌が害をもたらすようになるのです。
磨き残しにより、歯と歯の間に溜まってしまった歯垢(プラーク)が、毒素を出し、炎症を起こすようになります。
それが、歯と歯茎の隙間“歯周ポケット”を深くし、やがて、歯を支える歯槽骨を溶かし始めるのです。
歯槽骨が溶け始めた歯はグラグラしだし、最悪の場合は歯を抜くことになります。
この歯垢は、普段の歯みがきだけでは取り除くコトはできません。
歯垢が歯に付着している限り、歯周病を進行させる毒素を出し続けるのです。

更には、

  • 歯ぎしり
  • 合わない噛み合わせ
  • 喫煙
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症など)
  • 不規則な食習慣や生活
  • ストレス
  • 薬の長期服用

なども、歯周病を悪化させる要因となります。

歯周病の進行

1.健康な歯肉

薄いピンク色の歯肉で、しっかりと引き締まっています。
歯と歯の間の隙間は小さく、弾力がある状態です。
歯みがきなどのブラッシングでは、出血はしません。

2.歯肉炎

歯ぐきは引き締まっていますが、少しずつ歯石が溜まり始め、歯と歯の間の歯肉が赤く腫れだします。
若干ですが、歯が浮いた感じに見えることもあります。
歯みがきなどのブラッシングで、出血することもあります。

3.歯周炎

歯肉炎が更に進んだ状態です。
ここから先が歯周病になります。

軽度歯周炎

歯を支えている骨にまで炎症が出た状態です。
骨が溶け出して歯肉が下がって来たため、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)に隙間ができます。
歯と歯の間の歯肉も赤くなります。

中等度歯周炎

炎症がさらに拡大。
歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が半分ぐらい溶けてしまった状態です。
歯が長くなったと感じるようになります。
この頃になると、血や膿が出始め、口臭が強くなります。

重等度歯周炎

歯を支える骨の長さは半分以上破壊されています。
歯肉は赤くブヨブヨしていて、歯周ポケットも非常に深く、歯がグラグラします。
寝起き時、口の中がネバネバし口臭が強く出ます。

歯周病セルフチェック

  • 1.歯ぐきが赤く腫れている
  • 2.歯ぐきから血や膿が出る
  • 3.歯と歯の間に物がよく挟まる
  • 4.歯と歯の間に隙間ができた
  • 5.歯が長くなった気がする
  • 6.朝起きたら口の中がネバネバする
  • 7.口臭を指摘された・気になる
  • 8.前と歯並びが違う気がする
  • 9.上の前歯が出てきた
  • 10.歯がグラグラする

以上のような症状があれば、要注意です。
1つでも当てはまる場合は、歯周病の可能性があります。
早めに歯科医院に受診しましょう。

歯周病は治るの?

「歯周病が治る」と言うのは、歯科的に「歯周病菌が少なくなる」と言うコトです。
歯周病は、常在菌の1種。
完全に無くすコトは不可能です。

大切なのは、

1.予防(セルフケア)

・正しいブラッシング

・歯間ブラシやフロスの使用

・口腔内を清潔に保つ

1.治療

・歯石の除去

・歯周病菌の除去

・歯肉、骨の治療

1.メンテナンス

・歯科医院での継続的なメンテナンス

です。

歯周病はその進行度に応じて治療方法も変化します。
少しでも自覚症状を感じたら、是非ご相談ください。

治療の流れ

STEP1症状の検査

歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの溝の深さを測ります。
その他に、歯ぐきの腫れや出血の有無、歯のぐらつき度、骨の溶け具合、歯石の有無などを調べます。

STEP2基本治療

プラーク(歯垢)・歯石の除去、歯の根の面の滑択化、歯の咬み合わせの調整など、以下の治療を行います。

STEP1症状の検査

歯と歯ぐきの間にある歯周ポケットの溝の深さを測ります。
その他に、歯ぐきの腫れや出血の有無、歯のぐらつき度、骨の溶け具合、歯石の有無などを調べます。

STEP2基本治療

プラーク(歯垢)・歯石の除去、歯の根の面の滑択化、歯の咬み合わせの調整など、以下の治療を行います。

・ブラッシング指導

歯周病は、磨き残しが原因でもあります。
基本である正しい“歯みがき”の仕方を指導します。
自宅で出来るプラークの除去を、しっかりと身に付けましょう。

・スケーリング

スケーラーという器具を使って、歯石を徹底的に除去します。
歯石の付着度合いにより施術回数は様々です。

・ルートプレーニング

スケーリングで歯石を除去した歯の表面は、ザラザラしています。
表面がザラついていると、再度歯石が付着しやすくなります。
そこで、歯根(ルート)の表面を器具を使って削り取り、滑らか(プレーニング)にし、歯石が付着しにくくするのです。

・噛み合わせのチェック

噛み合わせが悪いと、歯ぐきが圧迫され血流が悪くなります。
それにより歯肉炎になったり、歯槽骨(歯を支える骨)などが移動し、歯がグラグラするようになります。

STEP3外科治療

この基本治療で治らない場合、歯周外科手術を行うコトがあります。
歯周ポケットが深い場合、歯肉を切開して、その奥にある歯垢や歯石を取り除く必要があります。

STEP3定期メンテナンス

歯周病の再発を防ぐために、定期的なメンテナンスを受けましょう。

歯周病と全身の健康との関係

簡単に歯周病と言いますが、成人の約8割が歯周病だと言われています。
よく耳にする名前なので、軽い気持ちでいる方も多いようです。
しかし近年では、

  • 糖尿病
  • 肺炎
  • 心臓血管疾患
  • 呼吸器疾患
  • 骨粗しょう症
  • 早産(妊婦)

に強く関連しているとの報告がありました。
とても怖い病気ですよね。

歯科医院での歯周病の治療と同時に、自宅でのセルフケアも徹底して行いましょう。
早期発見・早期治療、そして定期的なメンテナンスが歯周病治療にはとても重要です。

「いつまでも自分の歯で、おいしく食事をしてもらうこと」
それが私たちの願いです。